エンゼルス大谷翔平投手(27)が、次世代を担う子供たちへ夢を運んだ。22日(日本時間23日)、リトルリーグの聖地ペンシルベニア州ウィリアムズポートで行われたインディアンス戦に「1番DH」で出場し、2打数1安打2四球。初回には二盗を成功させ、スピード感あふれる姿を見せた。試合前の交流では多くの野球少年に囲まれ、サインを求める行列ができる人気ぶり。「リトルリーグ・クラシック」と称された試合で本塁打はならずも、打者大谷が全力プレーを披露した。

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ショーヘイ、ショーヘイ! スタンドからリトルリーガーたちの声援が響いた。3点を追う8回1死一、三塁。大谷に対し右腕カリンチャクが四球を与えると、スタンドは落胆に包まれた。メジャーレベルで二刀流を続ける大谷は、子どもたちの憧れの存在だった。

リトルリーグのワールドシリーズが行われているペンシルベニア州ウィリアムズポートで開催されたメジャーの公式戦。前日までインディアンスの本拠地オハイオ州クリーブランドで2試合を戦った両軍は、約400キロ離れた同地へ移動した。MLBが17年から「リトルリーグ・クラシック」と称し、少年野球の支援と子どもたちの育成を目的として行っているイベント。試合前にはサイン会やゲーム、写真撮影などで交流。大谷も「たくさんの子どもの前でプレーできて楽しいですね」と笑顔で話した。

ESPNの中継でインタビューに応じたMLBのマンフレッド・コミッショナーは大谷の影響力について熱く語った。「今年、国際的な(野球への)関心は劇的に上がった。野球を振興させる点で素晴らしいことで、関心の薄かった国々の興味も引く。スポーツにとっても非常にいいこと」。

大谷自身、リトルリーグ時代に同地での戦いを目指していたという。「少年時代に見ていた球場を見られて、いい経験になった」。本塁打はならずも、4打席で3度出塁し、今季19個目の盗塁も決めた。野球のさらなる発展へ、夢を描く子どもたちを魅了した。【斎藤庸裕】