「2番投手」のリアル二刀流で先発したエンゼルス大谷翔平投手(27)が、8回まで5安打2失点、10奪三振の力投を見せたが、打撃陣は得点を奪えず勝利の権利を奪えずに降板。9回に同点に追いつき、負け投手は消えた。1918年のベーブ・ルース以来103年ぶりの「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」の偉業達成はならなかった。チームは延長タイブレークの10回に失点し、2-3で敗れた。

試合は序盤から投手戦。大谷は3回、先頭の8番ゴームズに対し、カウント1-2から真ん中に入ったスライダーを捉えられ、中越えの先制ソロ本塁打を浴びた。その後、失策と敬遠で2死一、二塁のピンチを迎えたが、4番キャンハを捕ゴロに打ち取った。

打線の援護なく迎えた4回、1死から6番チャプマンに初球95・4マイル(約154キロ)の直球を捉えられ、2点目となるソロ本塁打を浴びた。

立ち上がりは幸先のいいスタートを切っていた。1回はわずか9球でリズム良く終え、3者凡退で2奪三振。2回はチャプマンに左翼線への二塁打を浴びたが、後続を三振で無失点に切り抜けた。

5回は1番からの上位打線を3者凡退に抑えて無失点。この日は配球の半分以上がスプリットで、7回はスプリット攻めで3者連続三振を奪った。

球数100球を超えた8回がヤマ場となった。2四球と死球で2死満塁のピンチを招いたが、この日2安打を浴びていたチャプマンに対し、外角のスプリットで空振り三振。こん身のガッツポーズで1回転し、迫力満点のフィニッシュで終えた。

この日は8回で108球の熱投。「2番投手」で出場した打者では2打数無安打に終わった。打線の援護なく、2ケタ10勝は次回以降へお預けとなった。今後、仮に中6日で順調にいけば残る登板数は2度。限られた先発機会で、ベーブ・ルース以来の偉業達成を目指すこととなる。