エンゼルス大谷翔平投手(27)の二刀流は2021年を歴史的なシーズンにした。だが、完璧ではなかった。本塁打王間違いなしに思えた前半戦から、思うようにならない後半戦。なぜ大谷は失速したのか? を深掘り。多角的に検証した。失速した部分は、来季に向けて伸びしろになる。
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大谷は前半戦で33本塁打を放つも、後半戦は13本塁打と苦戦しメジャー3位の46本塁打に終わった。後半戦では勝負を避けられる場面が目立ち、終盤にはメジャー最多タイの4試合13四球などを記録。一方、配球を検証すると、実際は前半戦とのボール率などの差はほとんどなく、それよりも本人の不調が失速の原因だったことがデータ上で示された。
<1>ボール率 スタットキャストによると、前半戦のボール率56・1%に対し、後半戦は57・0%と大差なし。月別でも9、10月が59・0%と最多だが、次点は13本塁打を放った6月の58・5%。苦手とする外角低めの投球は、前半戦11・7%に対し後半戦は12・4%と微増にとどまった。
球種別でも、46本塁打中23本塁打を占めた速球の割合は、前半戦が49・6%、後半戦は48・7%で顕著な差はなかった。3ボール(ストライク数は問わず)になった打席数は前半の82打席から99打席に増え、それが四球数の増加(38四球→58四球)に表れているが、単純にゾーンごとの配球を見れば、前半戦と大きく変わらなかったと言える。
<2>打球傾向 前半と後半で大きく変わったのは打球のゴロ率だ。前半戦はゴロ35・0%、フライ43・0%だったのに対し、後半戦はゴロ42・1%、フライ37・2%に逆転。特に9、10月はゴロ48・3%、フライ31・7%。全打球の約半分がゴロだった。
フライに対するホームランの割合も、絶好調だった6月は61・9%だったが、8月は18・5%と激減。また、打球方向にも差が見られた。センターから逆方向への割合は前半戦が57・8%(204球中118球)だったが、後半戦は47・3%(146球中69球)と減少。二刀流による体への負担から後半戦は打球が思うように上がらなくなり、引っ張る傾向が強くなったと考えられる。【山下翔悟】



