ブルージェイズ加藤豪将内野手(27)が4日(日本時間5日)、プロ10年目で初のメジャー昇格すると決まった。マイナー契約でキャンプに参加していたが、モントーヨ監督に開幕ベンチ入りを告げられた。

朗報は突然舞い込んだ。7回の守備から途中出場し、左犠飛を放ったタイガース戦の直後。モントーヨ監督に「おめでとう」と告げられた。カナダのテレビ局スポーツ・ネット電子版によると、加藤は「何のことですか」と尋ねた。「君はチーム入りした」と聞いても、冗談だと勘違いしたという。オープン戦打率3割4分8厘の打撃に、内外野を守れるユーティリティーぶり評価された。

13年ドラフト2巡目でヤンキースに指名された。1度もメジャーに昇格することなくマーリンズ、パドレスと渡った。4球団目で報われた苦労を「眠れない夜が続いた。14~15年ごろの自分に感謝したい。当時、もう野球をやめようと考えたことがあったが、それでも続けてきた。おかげで今の自分がある」と振り返った。

米カリフォルニア州出身だが、両親は日本人。3~6歳まで神奈川で過ごした。日本のプロ野球を経験しない日本野手で初めて、メジャーリーガーとなる。

◆加藤豪将(かとう・ごうすけ)1994年10月8日生まれ。米カリフォルニア州マウンテンビュー出身。両親は日本人。3歳で日本に移り神奈川で生活。6歳で米サンディエゴに戻り野球を始めた。当時は英語が話せなかった。ランチョバーナード高から13年ドラフト2巡目(全体66位)でヤンキース入団。19年にマーリンズ、21年パドレス移籍。185センチ、89キロ。右投げ左打ち。左打ちに変更したのはイチローの影響。

◆日本のプロ経験がない日本人大リーガー 加藤は米国の高校からドラフト入団しているため、日本のプロ野球は未経験。過去に日本のプロ未経験で大リーグデビューしたのは鈴木誠、多田野数人、田沢純一の3人がおり、いずれも投手だった。