エンゼルス大谷翔平投手(27)が大リーグ通算100号を放った。大谷の特長は全方向へ満遍なくフェンスオーバーの打球を打てること。左翼へ12本、左中間へ14本、中堅へ21本。ほぼ半分の47本が中堅から左へ飛んでいる。47本の平均飛距離は125・2メートル。左中間から左の26本に限っても121・6メートルで、引っ張った右方向への125・6メートルと4メートルの差でしかない。

100号は日本人3人目だが、打球方向は同じ左打者だった過去2人と大きく異なる。通算117本のイチローは、左翼への本塁打が02年6月29日ロッキーズ戦の1本だけ(0・9%)。同175本の松井秀喜は左翼へ5本、左中間へ5本の合計10本で割合は5・7%だった。

打ったコースも真ん中が45本、内角が29本、外角が26本とバランスが取れている。外角高めのストライクゾーンは1本だけだが、少し低くなれば17本、内に入れば9本、高めや外に抜けても3本と、攻めるのは難しい。

最高球速は20年7月30日アルタビーラ(マリナーズ)の直球を捉えた159キロ。最低球速は19年6月30日バジット(アスレチックス)のカーブを打った116キロ。打った直球の平均は151キロ。

最長飛距離は21年6月8日ロイヤルズ戦で右中間に打った143メートル。同年のエ軍最長でMLB全体では10位だった。最短は107メートルで18年と20年に1本ずつ。平均は125メートル。

89投手を打っているが、最多はバーランダー(アストロズ)や菊池雄星(ブルージェイズ)ら11投手の2本。日本人投手は菊池と前田健太の1本。右投手からが74本で左投手から26本。右投手との対戦は全打席の68%なので、右投手の方が本塁打の確率は高い。

カウントは初球の24本が最多。次に1-1、2-2が12本ずつと並行カウントが得意。3-0からは1本もない。0ストライクが37本、1ストライクが36本、2ストライクが27本。

打順は2番が最多の41本。3番の27本、1番の9本と続く。7番と9番ではスタメン出場がない。代打では2本。

投手として登板した「リアル二刀流」の試合では昨年まで3本。今年は降板後もDHで出場できるが、登板試合で本塁打はない。

球種別では、直球が31、ツーシーム(シンカー含む)が24とこの2球で半分以上を占める。ツーシームは全投球の15%なので、本塁打とする確率が高い。逆にチェンジアップは15%投じられているが、本塁打はそのうちの10%と割合が少ない。

打点はソロが55本、2ランが28本、3ランが16本、満塁弾が1本。走者がいる場合は、一塁が最多で18本、次いで一、二塁の9本。得点圏では29本。

球場別ではエンゼルスタジアムで58本、ビジターで42本。本拠地を得意としている。相手球団はレンジャーズが最多の13本で、マリナーズとアスレチックスの11本が続き、同地区の3球団から2桁アーチ。他地区では東地区のレイズと中地区のホワイトソックスも8本と多い。

大谷がアーチをかけた試合は55勝38敗。8度マークしている1試合2発の試合では7勝1敗。1試合3発以上はまだない。

(データはbaseball savant、Baseball Referenceを参照)