カージナルスのアルバート・プホルス内野手(42)が、プロ22年目、2988試合目で初登板した。

15-2と大量リードした9回表。カ軍の4番手としてマウンドに上がったのは、「5番DH」でスタメン出場していた通算681本塁打のレジェンド野手だった。

初球は103キロのスライダー。先頭打者に四球を与えると、次打者のスレーターは87キロのカーブで中堅ライナーに仕留めた。ロンゴリアに左前打を打たれ1死一、二塁とし、続くエストラダは遊ゴロで2死一、三塁に。無失点で抑えるか本拠地スタンドが盛り上がる中、ゴンザレスにカウント2-1から高め52・6マイル(約85キロ)のスライダーを右翼席に運ばれた。さらにバートには48・7マイル(約78・3キロ)の低めカーブをすくい上げられ、2者連続弾となる左翼へのソロを許した。

最後はウェードを65キロのカーブで遊ゴロに打ち取って試合を締めくくり、右手の拳の握って笑顔を見せた。最速は69・6マイル(約112キロ)だった。

プホルスは試合後、「彼ら(首脳陣)が(投手を誰にするか)探していて、私は『やってやろうじゃないか』という感じでした。夢がかなった。楽しかった。2本塁打を浴びたのは楽しくなかったが、ファンも楽しんでくれたのでは」と地元放送局KSDKのインタビューで語った。

レジェンドの初の“二刀流”は、打者では3打数2安打の1打点、投手では1回27球で3安打1四球2本塁打の4失点。防御率は36・00となった。なお、本塁打を浴びたジ軍のゴンザレスも本職は外野手(この試合は「8番左翼」で先発)ながら、この日の7回2死から登板。1回1/3を1安打無失点に抑えていた。

プホルスは01年にカージナルスでメジャーデビューし、新人王にナ・リーグMVP3回、本塁打王2回、首位打者と打点王1回などのタイトル獲得。12年から昨季途中まではエンゼルス、その後はドジャースでプレーし、今オフに11年以来11年ぶりに古巣カージナルスにカムバック。史上4人目となる700本塁打まで残り19本としているが、今シーズン限りの引退を表明している。