マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(48)が27日(日本時間28日)、球団殿堂入りのセレモニーで15分を超える英語のスピーチを行った。熱い思いとユーモアあふれる言葉に、超満員のスタンドが沸いた。

イチロー氏らしい、ジョークがたっぷり盛り込まれた楽しいスピーチだった。たとえば、チームメートだった元エース左腕ジェイミー・モイヤー氏に向け「あなたはとても頭が良く、そしておしゃべりでした。初めて会ったとき、あなたは僕に30分間も英語でしゃべり続けましたね。何を言っているか分かりませんでした。今は少し英語が上達しましたが、あなたの言っていることはほとんど分かりません。それでもあなたが49歳まで現役を続けたことを尊敬してやみません」と話し、大ウケした。

スタンドのファンは、イチロー氏のスピーチをすべて聞き逃すまいとするかのように聞き入り、ジョークの部分や感動的な話には、笑いや拍手、感嘆の声を送った。一番盛り上がったのは、最後にファンに感謝を述べたとき。数十秒にわたり大きなイチローコールが球場に響き渡った。

◆球団殿堂 球団が独自に定める顕彰制度。在籍時に活躍した選手に限らず、専属アナウンサー、監督ら球団首脳、GMらフロント幹部も対象。世界初のプロ球団のルーツを持つレッズは、本拠地隣接の球団殿堂博物館で81人を顕彰。永久追放により米殿堂入りを閉ざされた歴代最多4256安打のピート・ローズ氏はレ軍で殿堂入り。複数球団で殿堂入りした選手もおり、ケン・グリフィー氏はレ軍とマリナーズで殿堂入り。イチロー氏はマ軍10人目の球団殿堂入りで、25年に米殿堂入り資格を得る。