【アナハイム(米カリフォルニア州)3日(日本時間4日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(28)が、今季最多の111球の熱投で8回まで投げ切り、メジャーで初の規定投球回到達に大きく前進した。アストロズ戦に「3番DH兼投手」で出場し、8回を6安打1失点。勝敗はつかなかったが、今季の投球回は136となり、規定投球回まで26イニングに迫った。残り4度の登板機会で平均6回2/3を投げれば、メジャー史上初の投打で規定到達となる。

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大谷のギアが、回を重ねるごとに上がっていった。8回2死二塁、8月の月間MVPで好調のブレグマンを迎えた。直球、ツーシーム、カットボール、スライダー、ほぼ全ての球種を駆使。時折、声を上げながら全力で腕を振った。「最後、100球ぐらい超えているので、出し切る気持ちではいきました」。渾身(こんしん)のスライダーで二飛に打ち取り、無失点。今季最多111球の熱投で8回を投げ抜いた。

シーズン終盤を迎えても、進化が止まらない。この日、新球ツーシームを18球投じた。「比較的コマンド(制球)も良かったですし、動きも良かった」。最速は直球より速い100・6マイル(約162キロ)で、横の変化量は最大21インチ(約53センチ)。より一層、動きが増した。ネビン監督代行によれば、大谷は試合序盤、ベンチで「自分の今日のツーシームはえぐい」と話していたという。登板のたびに精度を高め、配球も前回の6球から大幅に増やした。

強力な武器を手にし、初の規定投球回も視界に捉えた。残りは26イニングで、登板機会は4度となる見込み。1試合平均で6回2/3を投げれば到達できる計算だ。「残り数試合、今までの予定通りにコンディションを整えて投げられるっていうのが一番の目標なので。長い回を投げられれば、勝つチャンスが多くなるので、それを目指して頑張りたい」。チームへの貢献と相乗効果で、投打で史上初のダブル規定到達を目指す。

昨年、初めて二刀流でシーズンを完走した。さらに進化を遂げた今季は、早くも昨年の投球回(130回1/3)を超えた。「それだけ安定して、健康でマウンドに上がれていると思うので、最終的にもっと(イニング数が)伸びてくれればいいと思いますけど、今の予定のまましっかり投げることをまず、考えていきたい」。ケガなく1年間、投げ続ける。開幕から掲げるテーマは最後まで変わらない。