エンゼルス大谷翔平の今季投球は、昨季と内容が激変した。昨季は直球(フォーシーム)を44%と軸にして、変化球は右打者にはスライダーとカットボール(合計46%)、左打者にはスプリット(23%)を決め球として投じていた。今季はスライダーとカットボールの曲がり球が中心(48%)となり、直球の割合が28%と激減。決め球は右打者にはスライダー、左打者にはスプリットとスライダーとなった。

今季は配球の傾向が3期に分かれる。序盤の開幕から6月9日レッドソックス戦まで、10試合中9試合で直球が最多だった。スライダーが2番目に多く、3番目はスプリット。昨年と同じ球種割合だ。

研究に対応したのか、中盤6月16日から8月9日の9試合は配球傾向が一変した。最多球種がスライダーに変更。7月28日レンジャーズ戦、8月3日アスレチックス戦はスライダーが50%を超えた。直球が第2球種となり、第3球種はスプリットを中心に、カーブやカットボールの日もあった。

終盤の8月15日マリナーズ戦から新球ツーシーム(シンカー)を投げ始めた。三塁側に曲がる球種。対になる球を得て、スライダー、カットボールも生きた。8月9日までは三振奪取の決め球でスライダー&カットは37%も、同15日以降は60%と激増した。

今季は全球種において球速が約1~3マイル(約1・6キロ~4・8キロ)アップ。与四球率は3・04から2・39と減少。球速が上がって制球が改善すれば、今季の投球成績向上は必然だった。【斎藤直樹】