【メサ(米アリゾナ州)2日(日本時間3日)=四竈衛】メジャー2年目を迎えるカブス鈴木誠也外野手(28)が、米アリゾナ州メサのキャンプ施設で自主トレを再開した。前夜遅くに現地入りしたこともあり、時差ボケで「ヤバいっス」と苦笑する一方で、快晴の空の下、午前中から約2時間にわたって汗を流した。日本代表として出場する第5回WBCに向け、異例の早期キャンプ地入りで、体を仕上げる。

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侍としての責任感が、鈴木の体を早々に動かした。メジャー球団に在籍し、WBCに出場する選手は、16日(日本時間17日)までにキャンプ地に集合予定。カブスのキャンプは20日(同21日)から始まる。そこから2週間も前に温暖地メサに入り、WBCへ向けての調整を続けていく。

ルーキーだった昨季は、ロックアウトの影響で契約が遅れ、チームに合流したのは3月18日だった。急仕上げでシーズンを迎えた。打率2割6分2厘、14本塁打、46打点。「大した成績が残せなかった」と反省するなど、5年8500万ドル(約110億円)の大型契約には物足りなさが残った。今季は主力として、周囲から飛躍が期待される2年目。1月には広島時代の同僚たちと沖縄で練習を積んできた。本領を発揮するためにも、準備には余念がない。

オフ期間、食事を管理しながら体重を9キロ増やした。筋骨隆々の体が一回り大きくなり、パワーアップした。キャンプ地には日本から専属シェフが同行する。「しっかりと栄養を取ることも大事ですから」。昨季終盤、体重減でパワー不足を痛感した。前半戦は長打率4割5分1厘でOPS・807も、後半戦は4割1分8厘で・737に終わった。反省を生かし、食事面でのサポート態勢も整えた。

現時点で侍ジャパンへの合流時期は未定。現行ルールでは、メジャーリーガーは2月下旬のソフトバンク戦と3月初旬の中日戦の壮行試合4試合に出場できない。このため、25日から始まるカ軍のオープン戦で、より多くの打席に立つプランを含め、柔軟に対応していくことになりそうだ。正月には「前回のWBCやプレミアでは先輩に引っ張ってもらいましたけど、今回は年齢も上の方になるので、僕も引っ張っていけるようにと思っています」と語っていた鈴木。主力の自覚を行動で示した。