【テンピ(米アリゾナ州)24日(日本時間25日)=四竈衛】日増しに調子を上げるエンゼルス大谷翔平投手(28)が、今度は駐車場の車を直撃する推定150メートル弾を打ち込んだ。マイナー施設で行われたフリー打撃では7連発を含め、31スイングで15本のアーチショーを披露。もはや手が付けられない状態となった。

右中間後方の駐車場に鈍い音が響いた瞬間、打撃ケージを囲んでいた同僚からは一斉に「イェーい」と叫び声が上がった。打った大谷は、大きく両手を広げるリアクション。この日の大谷のフリー打撃は、球宴のホームランダービーさながらの、まさに「SHOW TIME」だった。

衝撃の特大弾は、駐車場2列目に止めていたスタッフ所有のピックアップトラックを直撃した。幸いにも硬質の荷台カバーが装着されていたため、大きな被害には至らなかったが、フロントガラスに当たっていれば…。現役時代、長距離砲として知られたネビン監督が「すごかったな。あの辺りの車は動かさないといけないな」と本気で心配するほどの「危険球」だった。

この日は駐車場入り3本だけでなく、左中間のヤシの木最上部直撃2本、クラブハウス越え2本と、特大弾を連発。テームズ打撃コーチは「インパクトのポイントがすごく良く、左中間へも打ち込めるのは彼が意識してきたこと」と、全方向へアーチを架ける大谷の技術を解説した。

全体練習後には、マイナーの実戦打撃に飛び入り参加した。右投手の球筋を見極めたいという大谷本人の希望で、3投手と対戦。6打席に立ち、5打数無安打3三振1四球と、さすがに特大弾は出なかったが、計27球で目を慣らすなど、本来の目的は達した。

25日のオープン戦初戦には出場しないものの、26日、27日と2試合連続でDH、28日のアスレチックスには初登板する予定。目前に迫った侍ジャパン合流まで、大谷が一切手を抜くはずもない。