【テンピ(米アリゾナ州)23日(日本時間24日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(28)が、シーズン開幕へ向けて再始動した。侍ジャパンの一員として、投打で3大会ぶりの世界一に貢献。21日の米国との決勝戦では胴上げ投手として有終の美を飾った。カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(25)には腕時計をプレゼントし、26年の次回WBCでの共闘も“約束”。24日には、中2日でマイナー戦に登板予定。開幕投手を任されている30日の敵地アスレチックス戦に向け、準備を整える。

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大谷はグラブをリュックにひっさげて、球団施設に入った。サングラス姿で、ファンの呼びかけに手を振った。約4時間の滞在。翌日の登板に備え、体のケアなどで状態を整えたようだ。21日に米国代表との決戦を制し、胴上げ投手で侍ジャパンの世界一奪回に貢献。優勝会見では「1つの通過点として、シーズンが始まるので日々努力していきたい」と語った。その言葉通り早速、動き始めた。

今季はエンゼルスのキャンプ開始前から、本格的なブルペン入りやライブBP(実戦想定の打撃練習)で早めに仕上げてきた。アリゾナ州テンピから3月初旬に帰国し、16日まで東京で1次ラウンドと準々決勝を戦った。その後、アメリカ東海岸の南端フロリダ州マイアミまで移動。快適なチャーター機だったとはいえ、キャンプ地へ帰還するまで合計で約2万5000キロを移動した。慌ただしく駆け抜けた3週間だった。

侍ジャパンの一員として世界一を勝ち取っただけでなく、新たな出会いで仲間との絆も強くなった。1番打者で攻守に活躍したヌートバーは、所属先のカージナルスでオープン戦に出場。大谷から、次回大会でも日本代表でプレーすることを約束した上で、腕時計をプレゼントされたと明かした。カ軍とは5月上旬に3連戦があり、敵同士で顔を合わせる。WBCが終わっても、シーズンで楽しみな対戦カードが待っている。

メジャーは30日に開幕。WBC優勝から約1週間で、長く、過酷な162試合の戦いが始まる。敵地アスレチックス戦で開幕投手を務める大谷。もう1つの世界一を目指し、まずは万全の状態を整える。