代名詞の「お化けフォーク」で鮮烈デビューを飾った。

メッツ千賀滉大投手(30)が2日(日本時間3日)、敵地マイアミでのマーリンズ戦でメジャー初登板初先発し、6回途中3安打1失点で白星発進した。

初回に先制を許し、なお無死満塁も無失点でしのぎ、奪った8三振すべてフォークで空振りに仕留める快投を演じた。育成出身初のメジャーリーガーが、まずは快調に滑り出した。

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WBCや五輪の経験はあっても、思い焦がれたメジャーの舞台では地に足が着かなかった。初回、マウンドに立った千賀は「何も記憶がない」と振り返るほど高揚していた。暴投もあり、1、2番に連続長短打でいきなり失点。さらに連続四球で無死満塁のピンチを背負った。「本当に何年も待ったこと。体がすごいヒートしているのが分かった。ぐちゃぐちゃなフォームで投げていた」。だが、ここで崩れないのが真骨頂。「制球ではなく、心の問題。このままだとストライクが入らないし、試合を壊すだけ」と、スイッチを入れ直した。

5番以降を連続三振、右飛に仕留め、最少失点で切り抜けた。「初回は気持ちがアップアップするようなマウンドだった。足がゴーストだった。ピンチを迎えて逆に冷静になる感じでした」。試合後、特有の緊張感を「お化け(ゴースト)」になぞらえて地元報道陣を笑わせたが、すべて本音だった。

2回にはピッチクロック違反で「ボール」を宣告される場面もあったが、6回先頭を三振に抑えてお役御免となるまで、無失点。最速99マイル(約159キロ)の速球主体にカウントを整え、8奪三振すべてを宝刀フォークで空振りに仕留めた。「投げ終えたので楽しかったと言えるが、試合中は本当にいっぱいいっぱいだった」。

10年育成ドラフト4位から日本のエースへ成長し、ついに世界最高レベルで初勝利。年俸は、当時の推定270万円から。今季の約20億円まで跳ね上がった。「やはり初対戦なのでどう考えても投手が有利。データがそろう中で抑えるのが本当のメジャーリーガー。安定感を見せられるようにしたい」。シャーザー、バーランダーの「サイ・ヤング賞コンビ」と一緒に戦う夢舞台にたどり着いた男は、確かな足取りで新たな1歩を踏み出した。