パドレスのダルビッシュ有投手(36)が今季初先発し、5回3安打1失点6四死球3奪三振と踏ん張ったが、勝敗はつかなかった。

初回、先頭打者に二塁打を浴びたものの、後続を仕留めて無失点と、まずは順調に滑り出した。それでも、細かい制球が定まらず、2回には3四球、4回には2四死球と常に走者を背負ったが、スイーパー、カーブなど変化球主体に打ち取り、得点を許さなかった。

3-0と3点リードの5回無死一、三塁から犠飛で1点を失点。その裏、打線が2点を追加し、5-1とリードを4点に広げ、勝利投手の権利を持って救援陣にマウンドを託した。

球数は91球で、ストライクは51球(56%)と、いつになく制球がまとまらなかった。最速は95・8マイル(約154・2キロ)だった。

その後、パドレス救援陣が失点を重ねた末、8回に逆転され、ダルビッシュの白星は消えた。

試合は、パドレスが逆転負けを喫した。

WBCの前には侍ジャパンの宮崎キャンプ初日から参加。実戦不足の中、マイナーなどで難しい調整が続いたが、ようやく公式戦のマウンドに立った。

試合後は「メジャーリーグの選手と対戦していなかったのは不安でしたし、いろんな不安要素がありましたけど、試合直前になったらあまり考えないようにしてました。その割には、そこそこ投げられたと思います」と淡々と振り返った。

自らの勝ち星は消え、チームも敗れたものの、ダルビッシュ自身の表情は前向きだった。「調整の仕方はすごく難しいというのはありましたけど、今日投げている球のムーブメントだとか見たら、自分の中ではすごく良かったと思うので、これから先、また楽しみになりました」と、好感触を得た初登板だった。