大好きなママのサプライズ登場に泣いちゃった。WBC日本代表で活躍したカージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(25)が「母の日」の14日(日本時間15日)、レッドソックス戦に1番右翼で出場すると、二塁打2本を含む3安打3得点と活躍。試合前に収録されたテレビインタビューでは日本人の母久美子さん(57)がオンライン取材でサプライズ登場。「これってライブ? 感情的になっちゃったよ」と涙をぬぐって、感謝の言葉を並べた。

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ヌートバーは試合前、米スポーツ専門局ESPNの名物番組「サンデーナイト・ベースボール」の「母の日インタビュー」に出演した。司会者と「彼女は僕のベストフレンドで、僕のすべて」と軽快なトークを繰り広げていると、カージナルスのユニホームを着て、カリフォルニア州の自宅にいる久美子さんがオンラインでサプライズ登場した。

「これって今? ライブなの」と確認すると「オー・マイ・ゴッシュ(驚きを示すオー・マイ・ゴッドと同じ意味)! 気分はどう?」と母に尋ねた。逆に「そっちはどうなの?」と問われると「グッド」を繰り返し「感情的になったよ」とあふれ出る涙をぬぐった。先に送っていた花への感謝とともに「愛してるよ、ベイビー」と言われると「僕も愛している。(テレビスタッフは)こんなことまでするんだね。僕は彼女を見ると感情的になるんだ」と再び目頭を押さえた。

試合前に充電したママパワーをフェンウェイパークでの試合で存分に発揮した。1回、先頭打者でいきなり吉田が守る左翼への二塁打で出塁。続くゴールドシュミットの右前打で先制のホームを踏んだ。6回にも左前打を放つと、8回にも巨大フェンスのグリーンモンスターを直撃する二塁打。ピンク色のバットとストッキングで7試合ぶりの3安打を放ち、1試合3得点は今季初めてだ。

母は埼玉県の強豪・松山女子高時代、捕手から遊撃手、右打ちから左に転向したソフトボール選手だった。運動神経と明るい性格を受け継ぎ、幼少期には練習で手ほどきを受けた。マイナーリーグが中止になった20年には、工場での肉体労働のアルバイトを促され、野球で飯が食えるありがたみを知った。レギュラーとして迎えた初の母の日。感謝を力に変えた。