エンゼルス大谷翔平投手(29)は今後どうなる-。レッズ戦のダブルヘッダー第1試合に「2番投手兼DH」で出場し、今季最短の1回1/3、わずか26球で交代。試合後の検査で、右肘の靱帯(じんたい)損傷が発覚した。

今季の投手断念が決定。セカンドオピニオンなど踏まえた上で判断することとなるが、18年に続き再手術となれば、二刀流での復帰は25年までずれ込む可能性もある。

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前回登板を回避した際、「右腕の疲労」と発表された時点で、大谷の投手としての「今季絶望」は、少なからず想定の範囲内だった。違和感を抱えたままマウンドに向かい、ごまかしながら投げて結果を残せるほど、甘い世界ではない。しかも、エ軍はポストシーズン進出が困難な状況で、今オフ、FAとなる大切なシーズン。手術歴のある大谷が、自らブレーキを踏んだのは、賢明と言っていい。

では、今オフの契約にどんな影響を及ぼすのか-。最低でも長期契約で総額5億ドル(約725億円)以上とも見込まれる大谷の場合、極めて複雑な契約になることは避けられそうにない。名実ともに「エース&4番」とはいえ、今回のように、不測の事態で登板回避するケースも想定される。となれば「二刀流」の総額ではなく、「打者」「投手」として契約を細分化される可能性が高い。

たとえば「打者大谷」には、ジャッジ(ヤンキース)、トラウト(エンゼルス)並みの年俸4000万ドル(約58億円)前後を保証したうえで、打席数、打点、OPSなどで、上積み可能な最高額を用意。故障のリスクの高い「投手大谷」には、年俸3000万ドル(約43億5000万円)でスタート。投球回数などインセンティブを細かく刻み、最大でバーランダー、シャーザーらの最高額を超えられる「幅」を持たせるともみられる。たとえ10年前後の長期契約を結んだとしても、数年ごとに「オプトアウト(契約見直し)」、トレード拒否権などの条項を盛り込むことは確実。過去に例のない、複雑な契約になることは間違いない。

今季の登板を断念した大谷にすれば、無念の思いは強いに違いない。ただ、今回の判断は、来季以降への伏線でもあり、故障を最低限でとどめるうえでも、大事な分岐点。いずれにせよ、シーズンオフへの動きが、すでにスタートしていることが、あらためて浮き彫りになった。【MLB担当=四竈衛】

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