大谷の次は「山本争奪戦」へ-。オリックスからポスティング制度を利用して米移籍を目指す山本由伸投手(25)と各球団の直接交渉が、いよいよ本格的にスタートする。

本命ヤンキースが11日(日本時間12日)にロサンゼルスで対面交渉をするのを皮切りに、大谷を獲得したドジャースなど複数の有力球団がスタンバイ。総額3億ドル(約435億円)とも見込まれる折衝がヒートアップしてきた。

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大谷の新天地がド軍で決着したことで、メジャーの移籍市場は山本の動向へ移行した。まずは、大本命ヤンキースが11日(同12日)、代理人「ワッサーマン事務所」があり、山本が滞在中のロサンゼルスで対面交渉に臨むことになった。

「ニューヨークポスト紙」のジョン・ヘイマン記者によると、すでにブライアン・キャッシュマンGMらがニューヨークから同地へ移動。現時点で出席者は不明だが、今オフの大型補強を明言しているオーナーのハル・スタインブレナー氏、アーロン・ブーン監督のほか、米メディアの間では、OBの松井秀喜氏が出馬するとの有力情報も伝えられる。昨オフ以来、背番号「18」を空き番号にして受け入れ態勢を整えるなど、ヤ軍の本気度はハンパではない。さらに、現役ながらヤ軍OBの田中将大投手(楽天)の名前もうわさ話として挙がるなど、趣向を凝らしたプレゼンテーションの内容が注目される。

また、大富豪オーナーのスティーブ・コーエン氏、デービッド・スターンズ編成本部長が極秘来日し、山本と会食を行ったメッツは、あらためて具体的な交渉に進む見込みだ。大谷獲得を逃したジャイアンツ、ブルージェイズのほか、オリックス時代の同僚の吉田正尚外野手(30)が在籍するレッドソックスも参戦が確実視されている。大谷を獲得したドジャースも依然として資金枠を維持し、大谷との「両取り」を狙うともみられており、激しい攻防が繰り広げられそうだ。

山本は3月のWBCでの活躍、日本での傑出した成績に加え、25歳の若さもあり、MLB公式サイトが発表した先発投手のFA市場では今季サイ・ヤング賞のスネルを抑えて1位にランクイン。年俸条件は、長期契約で総額3億ドル(約435億円)とも見込まれており、今後は大谷に次ぐビッグマネーの情報が飛び交うことになりそうだ。

<山本への各球団のお熱ぶり>

◆メッツ 12月上旬までに、オーナーのコーエン氏、スターンズ編成本部長が極秘来日して、山本と会食した。某所の高級フレンチ風日本料理店で山本の家族も招待した。

◆ヤンキース キャッシュマンGMが来日し、9月9日のロッテ戦でのノーヒットノーランの歴史的瞬間を目撃。ウインターミーティングでは普段は特定選手について言及しないが、同戦のチケットを「一生持っておく。息子にあげるよ」と由伸LOVEを隠さなかった。

◆ジャイアンツ 今オフに就任したメルビン監督は大谷とともに「みんな素晴らしい選手。ほしい」と就任時に話した。同監督はイチロー、松井、ダルビッシュを指導し、日本人のメンタリティーを熟知している。

◆レッドソックス 米メディアによると山本の獲得に7球団が名乗りを上げていると言われるが、レ軍もその1つ。オリックスと同僚だった吉田が所属しており、いつでもホットラインを活用できる。