【グレンデール(米アリゾナ州)8日(日本時間9日)=四竈衛、斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、移籍後初のキャンプインを迎える。

前日のチーム集合日にキャンプ施設を訪れ、室内で調整。9日(同10日)のバッテリー組とリハビリ組の初日に向け、再契約を交わしたレジェンド左腕クレイトン・カーショー投手(35)ら同僚とも顔を合わせた。クラブハウスのロッカーは山本由伸投手(25)とムーキー・ベッツ内野手(31)に挟まれ、環境も整った状態で新天地での挑戦が始まる。

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新天地のクラブハウスで、青のウエアを身にまとった大谷が姿を見せた。メディアに公開された約50分間で一瞬だけ現れると、慌ただしそうにトレーニングシューズに履き替え、隣接するウエートルームへ向かった。キャンプ初日の前日はあいにくの悪天候で雨続きだったが、バットを持って約30分間、室内練習場などで調整。さわやかに、ニコニコと笑顔を見せて球団施設を後にし、アンバサダー契約を結ぶポルシェに乗り込んで帰路についた。

3・20の開幕まで野球一色、まっしぐらだ。クラブハウスのロッカーは、投手としてMLB史上最高額で契約した山本とMVP経験者のベッツに挟まれる“特等席”で、斜め向かいにはフリーマンもいる。技術論など野球談議に加え、エンゼルス時代はほとんどなかった同僚選手との日本語トークが可能。リハビリ中の肘には適さないかもしれないが、広々とした空間に卓球台があり、リフレッシュできる環境も整っている。

さらに、通算210勝左腕カーショーのカムバックも心強い。昨年11月に左肩を手術し、復帰はシーズン終盤となるが、常勝球団で17年目、サイ・ヤング賞3度のレジェンドは生ける教材。同投手は日本人2選手の加入を「アンビリーバブルだね」と喜び、大谷と対面した上で「彼をよく知っているわけではないけど、賢そうだし、うまくやっていける。ベッツやフリーマンはスーパースターだけど、四六時中ずっとショウヘイが注目されるだろうね。でも、うまく対処できるだろう。チームにとっても(2人の加入は)素晴らしいことだと思う」と話した。

大谷は昨年9月に手術した右肘のリハビリを続けながら、韓国で開催される3月20日の開幕戦での打者復帰が見込まれる。今月5日にはマシン打撃を開始し、キャンプ中に徐々にギアを上げて実戦調整に臨む。二刀流ではなく、打者専念となるが、目指すはワールドシリーズ制覇。整った環境で、一心不乱に挑む。

◆ドジャースのMVP受賞者 カーショーは14年、ベッツはレッドソックス所属の18年、フリーマンはブレーブス所属の20年に受賞。大谷はエンゼルス時代の21、23年に受賞した。山本は21~23年まで3年連続でパ・リーグMVP。ドジャースでは14年のカーショーを最後にMVPが不在