これぞベテランの味だ。パドレスのダルビッシュ有投手が、韓国・ソウルでのドジャース戦で日本人最多タイとなる4度目の開幕投手を務めた。37歳7カ月は、野茂英雄と自らの記録を抜く最年長。メジャー実働12年目は野茂と並ぶ最多となった。惜しくも白星はならなかったが、4回2死まで1失点、自責点0。ドジャース大谷翔平との初対決は、2打数1安打で痛み分けとなった。

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◆記者の目 注目を集めた「ダルVS大谷」の初対決。無死一塁の状況だったこともあり、初球を速球で入ったダルビッシュはおそらく併殺狙いで大谷に臨んだ。選んだ球種は、通常であれば詰まらせたくとも、1発のある大谷にはリスクの高い内角の速球系ではなく、外角への沈む球。ただ、これまで駆使してきた横滑りのツーシームではなく、シンカー気味にわずかに沈むスプリットを選択した。

だが、そこに特有の変化を加味した。これまでのダルビッシュではさほど見られなかった軌道で、時速91マイル(時速146キロ)で小さく速く外へ沈む球は、スプリットとシンカーを交えたようないわば「スプリンカー」。これまで10種類とも言われる変化球を自在に操るダルビッシュにすれば、過去にも投げていたのかもしれない。だが、事前に大谷対策を熟慮していたダルビッシュが、新たな球種を用意していたとしても不思議ではない。【MLB担当 四竈衛】

【動画】大谷翔平vsダルビッシュ、初対決は遊ゴロでダルビッシュに軍配