水原氏がギャンブル依存症に陥った理由を、ESPNのインタビューで明かしていた。21年に違法スポーツ賭博の胴元の男性とポーカー会場で初めて会い、直後から野球以外のスポーツ賭博をツケ払い方式で始めた。違法賭博とは認識していなかった。当時所属していたエンゼルス時代の年俸は約8万5000ドル(約1280万円)で、22年末に賭博の借金は100万ドル(約1億5000万円)に膨らんでいた。

水原氏は「翔平には状況を言えなかった。自分は生活も苦しく、ぎりぎりの暮らしだった。彼の生活スタイルに合わせようと無理をしていたからだ。だが、彼にそのことは言いたくなかった」と告白した。大谷は兄弟のような存在で、妻よりも長く一緒にいると話した。

賭博による借金は23年に400万ドル(約6億円)に膨らみ、初めて大谷に助けを求めたという。「私が事情を説明すると、彼は当然、憤っていたが、助けると言ってくれた。借金の相手が誰かは、彼は何も知らない。それが違法なのかも聞いてこなかった。ただ借金返済の支払いをしなければいけないと伝えた」と話した。大谷は水原氏の前で自分のパソコンを立ち上げて自分の銀行口座にログインし送金したという。数カ月の間に8、9回、1回につき50万ドル(約7500万円)を送金。取材時には、自分の身に起きている事態を妻に話していなかったという。

大谷については賭けを1度もしたことがなく「ギャンブルは最悪なものと考えている。彼はチームメートがギャンブルをしているのを見て『なぜ彼らがこれをやっているのか? ギャンブルは良くない』と言っていた。遠征先でもカジノに決して行かなかった。彼は興味がなかった」と話した。

このインタビューの翌日、水原氏と大谷の代理人事務所の広報は、ここまでの発言を撤回した。大谷は何も知らなかったとした。

インタビューしたティシャ・トンプソン記者はX(旧ツイッター)で「水原はドジャースとは(年俸)30万ドル(約4500万円)から50万ドル(約7500万円)で契約していた」と伝えた。