【ニューヨーク7日(日本時間8日)=斎藤庸裕】ドジャース山本由伸投手(25)が、ヤンキースを圧倒した。
メジャーで自己最速98・4マイル(約158キロ)の直球を軸に、7回2安打無失点。7勝目はならなかったが、スタントン、ジャッジらMVP獲得経験のある強打者を相手に球威と制球力で翻弄(ほんろう)した。昨オフ、移籍交渉で有力候補だったヤ軍を相手にベストピッチ。大ブーイングも黙らせる力投で、チームの延長戦勝利に貢献した。「2番DH」で出場した大谷翔平投手(29)は5打数無安打に終わった。
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試合後、山本は大舞台でプレーする醍醐味(だいごみ)をかみしめるように言った。敵地ニューヨーク。ワールドシリーズ前哨戦との呼び声も高い、東西の名門球団が激突する注目カード。全米で生中継される3連戦の初戦の先発マウンドに上がり、さまざまな感情を整理していた。
「このメジャーの試合で投げられるっていうことをすごく喜びに感じてますし、ドジャースとヤンキースということで、いつもよりも注目度がある試合っていうのは感じてましたけど、どの試合も全力で、今日もしっかり試合に集中して投げられたので。良い結果につながったと思います」
淡々と、自らの登板を振り返った。繰り返し「いつも通りの気持ちで」と平常心を強調したが、言葉以上に、投げっぷりに気迫がこもっていた。4回、先頭の4番スタントンへの初球、メジャー自己最速の98・4マイル(約158キロ)をマーク。2球目は内角球で懐をつき、本塁打王2度の怪力スラッガーのバットをへし折った。6回2死一塁、3度目の対戦では高めの直球で空振り三振。ため息がもれるスタジアムをよそに、腹の底から雄たけびを上げた。
昨年オフ、移籍交渉で有力候補に挙がっていたヤ軍。山本は「本当に素晴らしいチームだというのは(交渉時の)ミーティングだったり、そういうのをして頂いて感じました」と、常勝たるゆえんを実感していた。一方で「交渉して頂いたチームも何チームかありますけど、試合に入ったら本当に同じ気持ちで、落ち着いて投げていこう、と思ってます」と動じることはない。一昨年MVPで山本から1安打のジャッジに「彼はグレートだ。あの契約(12年契約)が出来たのには理由がある。素晴らしい投手」と言わしめた。
ヤンキースタジアムで今季最多4万8048人の前でメジャー自己最多の106球を投げ抜いた。無得点が続き、1球1球に一喜一憂するプレーオフのような展開に「試合中の雰囲気も球場も素晴らしかったですし、すごく良かったです」。大ブーイングにも負けず、7回を投げきり、ベンチに戻ると真っ先にロバーツ監督と熱い抱擁を交わした。あまりの力強いハグに「強いなって思いました」とニコリ。延長戦の勝利で緊張がほどけ、ほっとしたように笑みがこぼれた。



