大リーグ3球団で活躍した伊良部秀輝氏の死去を受け、1997年から3年間在籍したヤンキースは29日、ニューヨークでのオリオールズ戦で国歌斉唱に先立ち、大型スクリーンに伊良部氏の画像を映して活躍を振り返り、黙とうがささげられた。

 元同僚たちも悲痛な思いを口にした。97年に伊良部氏がメジャー初勝利を挙げた試合で捕手を務めたジラルディ監督は「一緒にいて楽しい、よきチームメートで、何度も好投してくれた」と振り返り「旧友を失うのはつらい。彼にも子どもがいるし、悲しいことだ」と家族を思いやった。

 ポサダ捕手は伊良部の理解者だった。日米間の移籍騒動を経て入団した右腕を「俺には彼のことがよく分かった。多くのものを背負った中で、よくやったと思う」とたたえ、突然の死に「衝撃だ」と声を詰まらせた。

 主将のジーターは、伊良部氏と最後に会ったのが2009年に米国代表として出場した第2回WBCの会場だったとし「言葉の壁はあったが、周囲が思う以上にいろんなことを理解する楽しい男だった。悲報を聞いたときは言葉を失ったよ」とやり切れない表情だった。