【ボルティモア(米メリーランド州)1日(日本時間2日未明)=中島正好】右ひじ痛で故障者リスト(DL)入りしているオリオールズ上原浩治投手(34)が、2度目の精密検査を行い「右ひじ腱(けん)の部分断裂」と診断された。トレンブリー監督が1日の試合前に明らかにした。当初、右ひじの炎症とみられていたが、実戦復帰には約2カ月かかる見込み。手術の必要はないが、早くても8月下旬、場合によっては9月にずれ込む可能性さえ出てきた。

 嫌な不安は、的中してしまった。1日の試合前、トレンブリー監督が沈痛な顔で「とても残念なことを知らせなければならない」と切り出した。6月30日に上原のひじについて行った精密検査の結果だった。

 上原は「右ひじの腱(けん)の部分断裂」だった。トレンブリー監督は「手術の必要はないが、最も順調で3~5週間休ませて投球練習が再開できるようになる。ゲームに投げられるようになるには早くて7週間はかかるだろう」と話した。その上で「この負傷はゲーム中に起きたこと。誰にでも起きることだ。コウジを責めることはできない。きちんとしたスローイングプログラムを経れば復帰することはできる」と上原を気遣った。

 上原の負傷は当初は“野球ひじ”と呼ばれる「右ひじの炎症」だと思われた。7月中旬には復帰できる見込みだったが、7月中にキャッチボールなどの軽い投球練習が再開できるかどうかは微妙な状況だ。試合に投げられる状態になるのは、早くて8月下旬になる。登板可能になったとしても、マイナーでの調整登板が必要となり、復帰は9月以降に伸びそうだ。すでに専属トレーナーとともに、リハビリを続けていくことが確認されている。

 上原については、スタミナ面で中4日での先発登板が不安視されてきていた。右ひじを痛めたのも中5日が2度続いた先発だった。スタミナ面や持病にもなっている下半身の古傷の不安もあったが、新たに「ひじの不安」もプラスされた。首脳陣も中4日での起用を考慮し、なるべく中5日での先発起用を試みていた状況でのリタイアだった。チーム内では、先発から“中継ぎ転向”の話が持ち上がっていたが、トレンブリー監督は、この日「私は先発で戻ってきてほしいと考えている」と話した。

 現在、最下位のオリオールズは、投手陣の層が薄い。上原はここまで2勝しかしていないが、登板した試合では試合を作る上で、安定した結果を出している。先発でも中継ぎでも必要な戦力であることは変わらない。巨人時代もケガと闘い続けた上原だが、メジャー移籍後もケガとの闘いに苦しめられている。