【アーリントン(米テキサス州)11日(日本時間12日)=佐藤直子通信員】レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(26)が、珍しく慌てふためいた。球団主催のファン感謝イベントに参加し、約200人のファンにサインをしたり記者会見を開くなど大忙しの1日だったが、最後はイタズラ心を見せた女性リポーターのワナにはまり?

 爆笑を誘う締めくくりとなった。

 レ軍では、毎年球団内の最優秀選手らを選出し、ファン感謝イベントで授賞式を行っている。新人賞のダルビッシュも出席。ファンの「ユー!」コールを浴び、さっそうと登場した。ここでダルビッシュは日本人選手には珍しく、壇上でのインタビューを通訳なしで開始。地元テレビ局の女性リポーターにオフの滞在場所などを説明した。約10の質問に完璧に返答したが、最後につまずいた。

 「それでは、ファンにシャウトアウト(あいさつ)をお願いします」。これを聞いたダルビッシュは目を白黒させた。質問を事前に打ち合わせていたが、最後だけは即興だったようで、何度か聞き直しても、「シャウトアウト」の意味が分からずに大慌て。汗だくになりながら、舞台袖にいた通訳のジョー古河氏にSOSを出した。古河氏ですら理解に時間がかかるほどで「簡単な英語でお願いします」とジョークで返した。

 最後は、リポーターに促され「ゴー・レンジャーズ!」と叫んでインタビューは終了。普段のクールさは吹き飛んで、あたふたするダルビッシュの意外な一面に会場は大爆笑。直前の会見では「今年はチームに溶け込めているから(気分が)楽」と話していたが、まさにその言葉通りのような授賞式。精神面で余裕が生まれた今季は、さらなる活躍が期待できそうだ。

 ◆「Shout

 out」

 米のスラングで「あいさつする」の意味。ヒップホップ系音楽では、曲の初めに話す、尊敬する人物へのメッセージを指す。近年若者の間で流行し、ツイッターなどでs/oと略される。