<ヤンキース7-4レッドソックス>◇12日(日本時間13日)◇ヤンキースタジアム

 ヤンキース黒田博樹投手(39)が、レッドソックス戦先発で約1年ぶりに5点以上の援護で今季2勝目を挙げた。6回1/3を投げ6安打4失点も、味方打線から6点をもらいメジャー通算70勝目。昨季は1試合平均3・1点の援護しかなかったが、配球の大幅変更で試合を自軍のペースに持ち込んでいった。

 立ち上がりから苦しんだ。試合開始直後に2番ナバを追い込みながら、外角のスプリットを中前打され、迷う。「そこからスプリットを投げることをためらった」。昨季までほとんど投げなかったカーブを多めにする配球に切り替えた。初回を無失点でしのぐと、その裏に味方打線が2点を先制。2回には同点の2ランを浴びたが、4回には女房役マキャンの本塁打などでさらに援護。次第に幅を広げた投球がさえていく。

 主砲オルティスにもカーブが有効だった。レ軍は昨季6度と最も多く対戦し、オルティスには過去の対戦で打率5割8分8厘と分が悪い。だがこの日は、3回の2打席目に初球カーブで中飛に打ち取るなどタイミングを崩すことに成功。「意表を突いたという感じだと思います。マキャンが入ってきて彼なりの組み立てもある。カーブがある程度投げられたのは大きかった」と手応えを感じていた。

 カーブを使う勇気は、味方打線のリズムも引き出した。5点以上の援護があったのは昨年5月17日のブルージェイズ戦以来。「こういう展開で勝つというのも経験することがない。勝てたことにはすごく満足しなくちゃいけないと思います」。戸惑いながらも明るい表情を見せていた。(ニューヨーク=水次祥子)