阪神の守護神呉昇桓投手(33)が、08年に巨人クルーンが記録した外国人史上最多タイの41セーブ目をマークした。
「リラックスしていたわけではないけど、いつも通り投げられました」
3点リードの9回に登板した石仏は、いたって冷静だった。先頭の新井をカットボールで左飛に打ち取ると、続く堂林を自慢の石直球で二飛に仕留める。2死から田中に右前打を許すも、最後は会沢を遊ゴロに切り、危なげなくゲームを締め記録を達成した。
05年にプロ生活をスタートさせた韓国・サムスン時代から、常にクローザーを任された。今でこそ呉昇桓=守護神のイメージは確立されているが、呉昇桓自身、プロ入り当初は先発への未練もあったという。
「プロ入りしてから何年かは先発をやってみたいという思いがありました。でも今はこのポジションに満足している。それが自分の僕の仕事だから」
与えられた責務をここまで全うしてきた。その姿勢、プロ意識が数々の偉業に結びついている。
「記録は気にせずに最後まで頑張ります」
まだ優勝を諦めてはいない。残り6試合。鉄腕を振り続ける。【梶本長之】