阪神渡辺亮投手(33)が来季の戦力構想から外れていることが29日、分かった。すでに球団に現役引退の意思を伝えたとみられる。関本に続き、また1人、虎党にとっては思い出深い選手がユニホームを脱ぐ。

 05年大学生・社会人ドラフト4巡目で入団。2年目から長年に渡り、中継ぎ陣の中核を担った。07年から12年まで6年連続で45試合登板以上を記録。12年オフに守護神藤川がメジャー挑戦した後はリリーフ陣のリーダー格と期待されながら、1軍登板数が減少。今季はウエスタン・リーグで25試合登板、防御率3・15ながら1軍ではわずか1試合登板に終わっていた。

 1軍デビューした07年にはサプライズ起用が幻となった。2連敗で幕を閉じたクライマックス・シリーズ第1ステージ中日戦。3戦目まで進めば首脳陣は中継ぎの渡辺を先発させる腹づもりだった。175センチながら140キロ後半の直球にはキレがあり、マウンド度胸も抜群。躍動感あふれる投球で沸かせた小兵が、惜しまれながらマウンドを去る。

 ◆渡辺亮(わたなべ・りょう)1982年(昭57)2月10日、徳島県生まれ。鳴門工-同大-日本生命を経て05年大学・社会人ドラフト4巡目で阪神入団。通算362試合、15勝6敗75ホールドポイント、防御率2・64。175センチ、68キロ。右投げ右打ち。