阪神が韓国プロ野球のKIA・ヤン・ヒョンジュン投手(27)を新外国人候補として調査していくことが30日、分かった。150キロ近い速球を内外角に投げ込む左腕は今季、防御率タイトル(2・44)に輝いた。スライダー、チェンジアップの制球も抜群で昨季の16勝に続き、今年は15勝をマーク。投手として全盛期にある。

 球団関係者は「先発でいい投手がいるから、韓国に担当者を派遣することになるだろう」と話す。チームにとって左腕は補強ポイントの1つ。今オフ、中日からFAの高橋聡を獲得したが中継ぎ要員。先発は30歳代の能見、岩田の両ベテランのほかローテーションに定着する投手がいない。岩崎や岩貞、横山らの成長を待つなか、来年オフ獲得に向け調査も怠らない。

 今季もヤン・ヒョンジュンをSK・金広鉉(キム・グァンヒョン)とともにリサーチしてきた。力量把握に努めるなか、今後は主にヤン・ヒョンジュンに力点を置いて、登板をチェックしていく方向だという。ヤン・ヒョンジュンは昨オフ、ポスティング制度を用いて、米球界挑戦を目指したが、入札額で折り合いがつかず、断念した経緯がある。志を果たせずとも、今季は奮起してチームの勝ち頭だった。韓国通算77勝の実績を積み上げる。

 ヤン・ヒョンジュンは依然としてメジャー志向が強いとみられる。30日の韓国日刊スポーツ電子版は、本人のコメントを紹介。「後日、海外進出の夢をかなえることにした」と伝え、KIAに貢献したのち「再び大リーグ進出を模索したい」と話している。来季、活躍すればFAの身分になる方向。旗色は読めないが虎は熱視線を送り続ける。

 ◆ヤン・ヒョンジュン 1988年3月1日、韓国・光州生まれ。07年2次ドラフト1位でKIAに入団。今季は32試合に登板して15勝6敗、防御率2・44だった。通算274試合で77勝48敗、防御率4・00。韓国代表では昨夏の仁川アジア大会で金メダル獲得にも貢献。183センチ、85キロ。