元プロ野球選手清原和博容疑者(48)が覚せい剤所持容疑で逮捕されたことを受け、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場にある甲子園歴史館は4日、清原容疑者が大阪・PL学園時代に使用した金属バットや複製ユニホームを館内の展示スペースから撤去した。館内で放送している高校時代の清原容疑者が登場する映像なども差し替えを検討する。担当者は「教育上の配慮から撤去した」と話した。

 高校野球の聖地・甲子園球場にある甲子園歴史館から清原容疑者のPL学園時代の記念バットなどが一斉に撤去された。

 展示が取りやめられたのは清原容疑者が甲子園大会歴代最多の13本塁打目(85年夏決勝の宇部商戦)を放った時に本人が使用し、後に寄託された金属バット(長さ86センチ)。グリップには「3」の数字が入っている。PL学園の複製ユニホームと帽子は本人の協力のもと、身長などサイズを採寸した等身大のもので、いずれも館内の「高校野球ゾーン」の常設コーナーのガラスケース内で展示されていた。

 同館は1月下旬からメンテナンスのため休館し、4日が再開初日だった。清原容疑者の逮捕報道を受け、展示品の撤去を検討していたが、担当者は「逮捕容疑を認めているとの報道もあり、教育上の配慮から撤去した。来館者にはお子さんも多いので配慮した」と話した。この日、空っぽになった展示ケースには急きょ「ただいま展示入替中です。あしからずご了承ください」との張り紙をした。

 館内で放送している高校時代の清原容疑者が登場する映像なども差し替えを検討するとしている。映像コーナー「あの感動を再び高校野球~」では大型モニターで甲子園をわかせた名シーンを上映している。

 映像では同期の桑田真澄氏と「KKコンビ」として高校野球の歴史に名を刻んだシーンがダイジェスト版に登場している。KKコンビが夏の甲子園で唯一敗れた84年夏の取手二高(茨城)との決勝戦、「甲子園は清原のためにあるのか」の名実況を生んだ85年夏の宇部商(山口)との決勝戦など。高校野球ファンには忘れられないシーンが多い。担当者は「今後の経緯、球界の反応などをみながら決めていく」としている。

 ◆甲子園歴史館 10年3月に開館。阪神タイガースや高校野球の歩みをゆかりの展示品で紹介する。高校野球ゾーンには春夏の初代優勝旗が展示され、記憶に残る名勝負を振り返る映像コーナーも設置。阪神ゾーンも吉田義男氏ら永久欠番選手のコーナーなど球団の歴史を紹介。甲子園球場の新名所となる。