青森県弘前市の葛西憲之市長(69)らが2日、楽天の球団事務所を訪れ、プロ野球1軍公式戦の開催を求める要望書を提出した。来年6月には同市の「はるか夢球場」がコボスタ宮城さながらのボールパークに生まれ変わる予定。これにより1軍公式戦が可能となり、楽天にとっては念願の東北6県開催が実現する運びとなった。

 青森に、プロ野球が帰ってくるかもしれない-。弘前市の葛西市長は「1軍戦の開催は青森県の悲願です。子供たちにプロ野球を触れさせ、野球を通してこの街を元気にしたい」と強く訴えた。東北5県で公式戦を開催している楽天立花陽三社長(45)は「楽天としても、東北6県での開催は大目標でした。必ずや来年度中に実現できるよう努力します」と、力強い握手を交わした。

 球場の収容人数の問題から、これまで1軍公式戦は88年のヤクルト-広島戦(青森県営)を最後に28年間行われていない。そこで県と弘前市は14年、約28億円をかけて、当初の収容人数5200人だった「はるか夢球場」の改修に着手。17年6月までには約1万4800人収容で内外野人工芝、開催規格を満たした照明と防球ネット完備の新球場が完成する。

 目指す姿は、コボスタ宮城を参考にしたボールパーク。フィールドシートを設け、球場周辺には3つの広場を設置予定。同市長は「広場では食のイベントなどを開催する予定です」と構想を伝える。観客席と通路をつなげ、回遊できる仕組みで県外からもファンを呼び込んでいく。