両親とスカウトに挟まれ、広島ドラフト4位の日大三・坂倉将吾捕手(18)は緊張のまま、都内ホテルで仮契約を終えた。ホッとして笑顔になると、目尻が上がり、きれいな歯がキラリ。似ている! ドジャース前田の入団時に! 本人は「いや…」と否定したが、母明子さんが笑った。「私たちの周りでは言われています」。まさかの“母公認”そっくりさんだった。

 素材も劣らない。マエケンも06年にPL学園から入団。高卒から鍛えられ、芽を出し、そして飛び立った。尾形スカウトが「時間はかかるかもしれないけど、持っているものはすごい。動ける捕手」と評価するように、坂倉も走攻守でレベルが高い。数年後の正捕手にふさわしい素材だ。左打席から広角にはじき返し、神宮のバックスクリーンにぶち込んだ経験も持つ。

 将来的な“マエケンバッテリー”にも意欲を見せた。侍ジャパンの強化試合もテレビで観戦。前田は来年3月のWBC出場に前向きな意向を持っていることが明らかになっているが、坂倉も将来的には日本代表入りの夢を持つ。「入るだけじゃなくて、主戦で使ってもらえるような選手になれれば、と思います」。前田とは10歳差とあって“そっくりバッテリー”実現に坂倉の成長は急務だ。

 契約金3500万円、年俸500万円(いずれも推定)からのスタート。「そんなに甘くはない。たくさんすごい選手がいる。1つ1つ攻守で成長して、1軍に上がりたい」と最後まで謙虚だった。体操はしないが、夢いっぱいのスタートを切った。【池本泰尚】

 ◆坂倉将吾(さかくら・しょうご)1998年(平10)5月29日、千葉・成田市生まれ。酒々井小1年時、酒々井ビッグアローズで野球を始めた。酒々井中では八千代中央シニアに在籍し、3年時に全国優勝。日大三では外野手として1年秋から4番。2年秋から正捕手。高校通算25発。177センチ、82キロ。50メートル6秒4、遠投110メートル。家族は両親と姉。右投げ左打ち。