勝負のプロ6年目のキャンプに突入した。日本文理OBで、育成選手の巨人高橋洸外野手(23)が2日、今キャンプ初めて屋内でフリー打撃を行った。ケージ2カ所に入り、それぞれ約50スイングを振り込んで、打球の感触を確かめた。

 「課題は打撃。キャンプでは、とにかくバッティングを磨く」と話すように、支配下選手へ復帰するためには、「攻」のレベルアップが求められる。11年にドラフト5位入団も2年で支配下を外れ、今年で育成4年目。昨季は3軍で「2番中堅」の定位置をつかんだが、2軍のイースタン戦では7試合の出場にとどまり、4打数で無安打だった。

 技術指導に携わる内田順三打撃コーチ(69)は「足と肩はある。あとは打撃の確実性を上げること」と、打率、出塁率のアップを求めた。今キャンプでは、右方向への強い打球を意識させる。50メートル走で6秒を切る脚力には定評があり、昨季の3軍戦では40盗塁以上を荒稼ぎし、成功率も9割を超えた。川相昌弘3軍監督(52)も「脚力には目を見張るものがある。打力も年々進歩しているし、もう1ランクのレベルアップがあれば」と大きな期待を寄せる1人だ。

 背番号は「007」。人気映画シリーズの主人公ジェームズ・ボンドにあやかって、「ジェームズ」の愛称がチーム内に浸透する。命名した内田コーチは「高い身体能力があれば、それだけ伸びしろもある」と助言を惜しまず、成長を見守る。高橋は「いろいろ支えてもらっているので、期待に応えられるように」と恩返しを誓った。【中島正好】