目指すは、新人王! 楽天ドラフト5位森原康平投手(25)が、15試合目の登板でプロ初勝利を挙げた。同点の8回から先発岸の後を継いで登板。先頭西川を低めフォークで一ゴロに片付け、次打者の中島は初球、高め145キロで遊ゴロに仕留めた。最後は近藤を147キロ直球で左飛。打者3人を8球で料理した。直後の9回に相手の失策で勝ち越しに成功。プロ1勝目が舞い込んだ。「素直にすごくうれしいです。勝ちはおまけとして。ウイニングボールは実家のおじいちゃんにあげます」と笑みをこぼした。

 広島・福山市内にある神辺スポーツ広場が、野球人生の原点。小学校低学年時、学校が終わると自宅で同居する祖父孝志さんと広場に向かい、キャッチボールやノックを受けた。「野球を始めるきっかけと言うか、いつも自分の相手をしてくれた」と、中学2年まで続いた2人の練習。「何歳か分からないですけど、普通に考えて年なのにすごいですね」と懐かしんだ。

 「なかなか広島に帰れないので、郵送で送ります」。憧れは侍ジャパンにも選出されたオリックス平野。「空振りを取れる選手になりたい」。そして「新人王を目指したい」と大きな目標を掲げた。首位を走るチームは、貯金「11」で4月を終えた。勝利の方程式を支えるのは、そんな祖父思いのオールドルーキーである。【栗田尚樹】