ソフトバンク千賀滉大投手(24)が、ホーム最終戦となる今日6日オリックス戦に“おとこ気登板”する。現在13勝4敗で勝率第1位。黒星がつけば16勝5敗で3厘差で追う同僚の東浜にタイトルを譲る。だが日本一に向け、CSまでに状態を上げることを最優先。あと6イニングに迫る規定投球回到達も目指す。

 「タイトルを目前にして、もっと燃えてくるものがあるのかと思ったが、今の数字じゃ燃えない。思いはそんなにない。チームに迷惑を掛けないことが大事。明日はセレモニーもある。ファンの方にも勝っていい気分で帰ってほしい」

 千賀は昨年も12勝目を挙げた後、3試合未勝利で規定の13勝に到達できず、和田に勝率1位のタイトルを譲った。黒星を喫すると昨年の二の舞いになるリスクもあるだけに、今年も残り試合を回避し、CSに臨む選択肢もあった。だが前回9月25日の西武戦で6回7失点で降板。このままの状態でCSを迎えられない思いが強かった。

 そんな右腕を周囲も後押し。今季16勝で最多勝が決定的な“ライバル”東浜は「最後まで投げる千賀の姿勢は尊敬する。純粋に勝って欲しい」とエール。和田も「僕はやめとけって言ったんですが、本人の美学もある。規定にいってタイトルをとったらすごく格好いい。応援したい」とうなずいた。

 工藤監督も「規定投球回は1つの大きな目標になるし、翌年が飛躍の年になったりする。目標を超えることは選手にとって大事」と理解を示す。優先すべきはタイトルよりも日本一。千賀は1カ月後に迎える歓喜の瞬間を思い描き、レギュラーシーズン最後のマウンドに上がる。【福岡吉央】