CSホームラン男が楽天を打ち砕く。西武中村剛也内野手(34)が13日、ファーストステージ突破に向け、バットを研いだ。メットライフドームでの前日練習で快音を披露。則本、岸との対戦を前に「(短期決戦は)エース級がバンバンくる。ワンチャンスをいかにものにするか」と表情を引き締めた。

 勝負どころで無類の強さを発揮してきた。これまで出場したポストシーズン第1ステージでは必ず本塁打をマーク。プレーオフ通算では、最多記録まであと1本の7発を放っている。張り詰めた緊張感の中で、いかに好投手たちを攻略してきたか。「好球必打。そこに尽きる。簡単には打てないですけど、試合の中で捉えられる球は必ずある」と力強くうなずいた。

 今季は背中と腰の張りでの離脱もあり、規定打席に到達したシーズンで初めて本塁打王を逃した。終盤戦は7番での起用が続いたが、CSに合わせしっかり状態を上げてきた。辻監督も「中村の状態が上がってきていると感じた。おかわりが打ってくれれば(チームが)盛り上がる。ひらめきもあったし、期待したい」と、ここぞでの主砲のアーチに期待を込めた。

 自身の調子については、いつも通り「普通です」と素っ気なかった中村だが、決戦への準備は整えた。今季の楽天戦は16勝8敗1分けと分はいいが「レギュラーシーズンとは別物と考えないといけない。チームで甘い球を仕留めて点を取りにいく」。百戦錬磨の大砲は静かに闘志を燃やした。【佐竹実】