育成出身のソフトバンク甲斐拓也捕手(25)が、ゴールデングラブ賞初受賞の大きな勲章を手にした。9日は、稲葉新監督の元、侍ジャパンの宮崎合宿をスタート。「何と言ったらいいか…まさか自分がという気持ちです。まだ目標にもできないと思っていた賞を受賞することができ、ただただ驚いています」と本人が一番驚いていた。

 支配下登録から4年目の今季、103試合に出場し打率2割3分2厘、5本塁打、18打点と活躍。自慢の強肩とキャッチングで、同じく育成の千賀や最多勝獲得の東浜が先発の時はスタメンマスクが多く、シーズンだけでなく、ポストシーズンでも存在感を見せていた。「1年間がむしゃらに頑張ってきましたが、最高のご褒美です。試合に使っていただいた監督やコーチ、支えてくれた先輩やスタッフの皆さんに感謝です」と謙虚さは忘れなかった。

 達川ヘッドコーチも「ワンバウンドの捕球は素晴らしかった。肩もそうだが、そういうところがセールスポイントだ」と喜ぶ一方で「全投手の球を受けて初めてレギュラーと言える」とまだまだ“半人前”であることも強調。170センチの女房役が来季、さらに大きく成長する。【浦田由紀夫】