日本ハム大谷翔平投手(23)のメジャー挑戦が正式に決定した。10日、都内のホテルで球団に希望を伝え、ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を承認された。会談後、竹田憲宗球団社長(61)栗山英樹監督(56)が会見を開き、送り出す側の思いを語った。今日11日には、大谷本人が会見で自らの意思を口にする。日米間で協議中のポスティングシステムは現在、大筋で合意。正式合意し次第、申請手続きに入る。

 日本ハムは、今後も大谷をサポートしていくことを約束した。竹田球団社長は会見で「通訳のことや、そういったフォローのことは彼(大谷)から(話が)あった」と明かし、本人の要望があれば、気心の知れたスタッフを派遣することも検討するという。

 メジャー球界にもいない本格「二刀流」という特殊な選手。栗山監督は「今までは、何かあればこちらが手を下せるわけだけど、(米国に行くと)そうではないので、もっともっと心配になっていく」という。

 これまで日本ハムが蓄積してきたトレーニング法や起用法、状況による体のコンディションなどは、メジャーで活躍していくうえでも重要なデータとなるのは間違いない。大谷の移籍先からそのデータや育成法などを求められるケースも想定しており、吉村GMは「(日米間の)協定上の問題がクリアされれば。ルール上可能であれば、それはやぶさかではない」という。大谷が世界一の選手になるために、移籍先と連携して後押ししていくつもりだ。

 ◆ポスティングシステムの現状 今オフは従来の制度を利用し、来年から譲渡金を契約総額の15%とするなどの新制度を導入することで大筋合意、米大リーグ(MLB)側の最終調整を待っている状態だ。日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長によると、既にMLBからの改定案に対する日本側の回答は通知しており、米側が承諾すればすぐにでも発効できるという。MLB側では全30球団と大リーグ選手会の同意が必要で、順調なら米フロリダ州で15、16日(日本時間16、17日)に開かれるオーナー会議で承認される可能性がある。大谷が利用することになる現行制度では、日本球団が2000万ドル(約23億円)を上限に譲渡金を設定する。ポスティングが申請されたことをMLBが30球団に通知した翌日から、支払う意思のある全ての球団が大谷と交渉することができる。