究極は無失策! 広島菊池涼介内野手(27)が11月30日、都内のホテルで行われた「三井ゴールデン・グラブ賞」の授賞式に参加。究極の理想として無失策を挙げた。今季は5失策。受賞した内野手のなかでも楽天銀次の4失策に次ぐ数字だ。5年連続5度目の受賞にも、守備への意識は高まっていくばかりだ。

 紺色のスーツを身にまとい、また菊池が授賞式に戻ってきた。5年連続5度目の受賞。有効投票数259票のうち、セ・パ通じて最多得票となる246票を集めた。今季はWBCから始まり、コンディション面で苦しい時期もあっただけに「最高です。苦しかったシーズンでしたが、何とか頑張ってやれたと思う」と胸をなで下ろした。

 14年に535補殺を記録するなどベスト3を独占する代名詞も、今季は407にとどまった。薮田や岡田ら三振を取る投手が増えたこともあるが、決して語ることのない突き指や下半身の不安が影響したのも事実だろう。それでも文句なしの受賞。それも今季のリーグ内野手としては最少の5失策、守備率9割9分3厘を記録した。派手さと堅実さ。菊池の真骨頂だ。

 来季へ向けては「究極の理想」とした上で「5失策してしまった。やっぱりゼロに近づけたい」と語る。守備範囲の広さゆえに失策となるケースもあるが「Eランプがついたらしっかり受け止めています」と語る。さらに今季は欠場が5試合。「コンディションを整えて全試合出られるようにしたい」。全試合出場での無失策は菊池にとっては非現実的な話ではない。

 自身の守備のノビしろについて問われると「年々、状況判断、ポジショニングは良くなっていると思う。でも全部出来ているかと問われるとそうではない。(無失策に近づけるには)いかに冷静にフィールド上に立っていられるかだと思う」。菊池が究極の目標を目指し、静かに準備を進める。金色のグラブは菊池によく似合う。【池本泰尚】