阪神岩田稔投手(34)が「市民ランナー流シェイプアップ」で来季の完全復活を目指す。2日、奈良市内で行われたイベントに参加し、虎党に「ランニングに重きを置いて、体を絞りながら動けるようにしたい」と宣言。今年の7月末以降に任された先発ローテーションを死守するプランだ。

 今年の夏場から、精力的にランニングを採り入れているという。約1時間、10キロを息が上がらない強度で走る。体重は94キロから約90キロに減量。「いい結果につながっていった。体のキレも変わってきた」と手応えを深める。固定観念にとらわれない岩田らしくトレーニングメニューを明かす。「スーパー銭湯に車を止めて、走りに行くんです」。練習した汗は大浴場で流して、ゆったりリラックス。「市民ですから」と笑う。

 実はコレ、ランニングブームの作法そのものだ。サラリーマンやOLは仕事前後に街中の銭湯へ。忙しい市民ランナーは「ひとっ走り&ひとっ風呂」をセットにして、工夫して走る。岩田は今季、減量が奏功して15年以来、2年ぶりの白星など3勝を挙げた。日々、変わっていくことを恐れず、練習拠点も変更。14年から恒例だった米国アリゾナでの自主トレをやめ、今オフは沖縄で動く方向だ。ベテランの域に入っても挑戦を続ける。【酒井俊作】