データで見る・ヤクルト
データで見る・ヤクルト

 プロ野球の快記録や珍記録を振り返る「データで見る17年」を今日から13回連載します。

 プロ野球を球団別に12回、続いて日本人大リーガーを取り上げます。第1回はヤクルト。11連敗を喫し、苦しい1年となったベテラン石川雅規投手(37)を取り上げます。

 石川の16年目は4勝14敗。現役最多の通算156勝を挙げている石川にとって苦しい1年だった。11年高崎(横浜=5勝15敗)以来の2桁借金を喫し、14敗はリーグワースト。4勝以下でリーグ最多敗戦は、09年にセ・リーグのグリン(横浜)とパ・リーグの渡辺俊(ロッテ)小林宏(ロッテ)が記録して以来、12人目。現役最多勝利の投手がリーグ最多敗戦を記録するのは、現役最後の55年に21敗した通算303勝のスタルヒン(大映)以来、62年ぶりの珍しいケースだ。

 5月24日広島戦から11連敗でシーズンを終了した。シーズン2桁連敗は16年東明(オリックス=10連敗)以来22人、24度目だが、10連敗した投手は実績のない若手が多い。通算50勝未満の投手が14度記録しており、通算100勝以上で2桁連敗は66年にプロ野球記録の15連敗した梶本(阪急)以来、51年ぶり4人目。37歳シーズンに2桁連敗は51年笠松(広島)の35歳シーズンを上回る最年長記録となった。最年長で2桁連敗を喫した石川だが、10年には11連勝をマーク。国鉄時代に11連敗した通算400勝の金田や通算254勝の梶本は10連勝しておらず、シーズン2桁連勝と2桁連敗の両方を記録した投手はプロ野球史上初めてだ。

 成績は悪かったものの、今季も23試合すべて先発した。これで09年4月3日阪神戦から230試合連続先発となり、連続試合先発記録は山内(阪神)三浦(DeNA)に次いで3位に進出した。石川のリリーフは過去に15試合しかなく、通算427試合のうち412試合が先発。400試合以上先発は20人いるが、そのうち大卒の投手は高橋直(巨人=404試合)と石川だけ。大卒では高橋直を抜いて最多先発となった。先発にこだわってきた石川の復活に期待したい。【伊藤友一】

 
 

 ▼ヤクルトは球団ワーストの96敗で最下位。シーズン96敗以上は05年楽天の97敗以来9度目で、セ・リーグでは99敗した55年大洋以来、62年ぶり。5~6月に10連敗、7月に14連敗を喫し、シーズン2度の2桁連敗は70年以来、球団史上3度目の屈辱だった。ホームでは30勝40敗2分けの勝率4割2分9厘に対し、ビジターは15勝56敗の勝率2割1分1厘。ビジターの同一カード2連戦、3連戦は23度あったが、8度の0勝3敗を含む22度が負け越し。敵地の連戦で勝ち越しは5月16~18日、東京ドームで2勝1敗だった巨人戦の1度しかなかった。

 
 
ヤクルト 打撃成績
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