日本ハムのドラフト1位清宮幸太郎内野手(18=早実)が9日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で始まった新人合同自主トレ初日から、猛練習で周囲の度肝を抜いた。約4時間の全体メニューを終えた後、同4位難波侑平内野手(18=創志学園)を誘って、ロングティーやトス打撃など約2時間汗を流した。ロングティーでは“プロ1号”を含む6本の柵越えを放った。開幕1軍のテストとなる2月17日の紅白戦(沖縄・国頭)へ、照準を合わせていく。

 オレンジ色に染まった空を、鋭い打球が次々と切り裂いた。新人合同トレ初日のメニューを終えた清宮は、満足していなかった。午後3時20分、同じ高卒のドラフト4位難波と連れだって勇翔寮を出ると、木製バットを担いで隣接する球場へ歩いて移動。一塁側から右中間方向へ、ロングティーを打ち始めた。89スイング中、120メートル級の打球を連発。6本の柵越えには「ナイバッチ~!」と、練習を見学していた小学生の歓声が上がり「割と振れて良かったです。(声援を)もらっちゃいましたね」と、うれしそうに笑った。

 高校時代から、打球の飛距離をしっかり確認できるロングティーを好んでいる。この日は、前日に降り続いた雨でグラウンド状態が悪く、全体メニューはすべて室内練習場。自ら難波を誘って屋外で気持ち良くバットを振った後には、再び室内練習場に戻って打撃練習を行った。ロングティーを見守った担当の岩舘スカウトは「こんなにきれいに整備されたグラウンドで、まだ誰も練習していないのに無神経だろ?」と苦笑いも、ルーキー離れした心意気に「でも、その発想がいい。気持ちが大事」と、目尻を下げた。

 入寮初日の前日8日も、1時間40分の夜間練習を行うなど、とにかく元気いっぱいだ。この日は9時間近くを野球に割き、計251スイングも「いつも、これくらい打っているから」とケロリ。全体練習を視察し、清宮の動きを確認した栗山監督は「能力的なものは問題ない」と、2月の春季キャンプの1軍(米アリゾナ)スタートを示唆し、新人7選手へ、1、2軍合同で行う同17日の紅白戦(沖縄・国頭)が開幕ベンチ入りの第1関門となることを告げた。

 清宮は「具体的な日にちを聞いて、あまり時間がないというのが正直なところ。1カ月あるけど、どこまで自分がやれるかが勝負」と、開幕1軍切符を懸けた戦いを見据えた。【中島宙恵】