楽天梨田昌孝監督(64)が、4日に亡くなった元監督の星野仙一氏(享年70)の大きな背中を追う決意を明かした。9日、楽天生命パーク宮城で、新人選手らと献花台に花を手向けた。中日、阪神と楽天をリーグ優勝に導いた闘将に続いて、自身3球団目となるVと、13年以来となる楽天の日本一を誓った。

 

 遺影を前にすると決意は固まった。1分間の黙とうの後、献花台に花を手向けた梨田監督は言った。

 「偉大すぎる大先輩。その道をたどっていきたい。3球団目の優勝。今年こそ、優勝と日本一。本当に、その時が来た」

 星野氏は中日、阪神、楽天で計4度のリーグ優勝と13年の日本一を達成した。近鉄、日本ハムで1度ずつVを経験した梨田監督にとって、3球団目となる楽天での優勝と初の日本一は悲願とも言える。「リーグは違ったけど、よく面倒を見てくれた。いまだに現実として受け止められないけど、そこを目指して頑張っていきたい」。13年以来の覇権奪回を宣言した。

 金言を胸に刻んで就任3年目のシーズンに臨む。「星野さんからは『自分の采配に自信を持ってやれ。思った通り、やれ。迷うな』と言ってもらったことを覚えている」と、タクトを振る上での基盤とする。「厳しい中にも、愛情がある」とし「1回失敗しても見捨てない」と、長い目で選手の成長を見守っていく。

 最後に会ったのは昨年12月に大阪で開かれた「野球殿堂入りを祝う会」だった。「本当に勝負に情熱を持って、勝つことに執念を持っていた方。信じられないですけど頑張ってやっていくしかない」。勝って、勝ち続ける。【栗田尚樹】

 ◆複数球団で優勝した監督 梨田監督は近鉄時代の01年、日本ハム時代の09年に優勝。複数球団で優勝した監督は10人おり、最多は三原監督、西本監督、星野監督の3球団。三原監督は1リーグ時代の巨人とパの西鉄、セの大洋で、星野監督も両リーグでV。同一リーグの3球団で優勝は大毎、阪急、近鉄の西本監督だけ。