エッ、グラブと寝るの!? 阪神ドラフト3位の熊谷敬宥内野手(22=立大)が9日、鳴尾浜で行われた新人合同自主トレに参加し、練習後に意外な「グラブ愛」を明かした。仙台育英高時代からグラブを枕元に置いて、一緒に寝ているとした。かつて掛布雅之オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA、62)がバットを抱いて寝たという、現役時の逸話を思い出させるこだわりよう。通算349本塁打の強打者と同じく道具を大切にする「掛布流」で勝負する。

 低反発の枕でもなく、高級の羽毛布団でもない。はたまた、流行のアイマスクでもない。熊谷が意外な安眠グッズを打ち明けた。鳴尾浜の虎風荘自室でベッド脇に置くものは決まっている。「高校の時くらいからグラブを枕元において一緒に寝るようになりました。安心して寝られます」。守備の相棒と“添い寝”していることを明かした。

 すでに手元にあるピカピカの茶色グラブは、プロ入り後にミズノ社に依頼したものだ。立大では遊撃を守ったが、「どこでも守れるように」と自身の経験とこだわりを伝えた。プロの打球は速い。間一髪のタイミングが勝敗を分けることもある。「大学の試合中、手を入れる部分に緩みが出て、球を捕りにくかったことがあったので、今回は特にそこにこだわって、きつめに作ってもらいました」。虎の刺しゅうを入れた新しい相棒に満足げだった。

 野球道具を愛する姿勢は「掛布流」だ。昨季まで阪神2軍監督を務めた掛布SEAは現役時、バットを抱いて寝たという。「2本を抱いて寝る。グラブは枕の横に置いて」と明かしたことがある。通算349本塁打で、6度のゴールデングラブ賞に輝いたスターと似たルーティンを行う熊谷。強い道具へのこだわりが、掛布SEAのように将来実を結ぶ可能性を感じさせた。

 この日は新人合同自主トレに参加し、冷たい鳴尾浜の風を受けながら、キャッチボールや軽めのトス打撃を行った。2日目を終えて「体を鍛えられてる感じがします」と充実した表情。周りで守備練習を行う先輩をみて「早くノックを受けたい」と守備への意欲もみせた。金本監督は前日8日に「足という面でまず戦力にしたい」と話し、俊足を高評価する。阪神は現状で二遊間のレギュラーが不在。イケメン新人が愛着のあるグラブを武器に守備でもアピールする。【古財稜明】