日本ハムのドラフト1位、清宮幸太郎内野手(18=早実)が19日、右手親指の打撲のため千葉・鎌ケ谷の2軍施設で参加した新人合同自主トレを途中でリタイアした。前日18日の筋力トレーニング中に負傷。この日、都内の病院で検査を受け、右手母指基節骨骨挫傷と診断された。約1週間、打撃練習など一部練習メニューを制限し、26日に再検査を受ける予定。1軍の米アリゾナキャンプ参加が決定している超大物新人に、思わぬアクシデントが襲った。

 午前11時22分。清宮は外野グラウンドで栗山監督、谷ヘッドトレーナーと話を終えると1人、ベンチ裏へ戻った。直後に他の新人選手がキャッチボールを始めたが加わらない。室内練習場での打撃練習もキャンセル。そのまま球場内で昼食を終えると、寮まで歩きながら取材に応じた。「大事を取ってです。大したことはないです」。軽傷を強調した途中リタイアの理由は、右手親指の外側の打撲だった。

 アクシデントは前日の筋力トレーニング中に起きていた。栗山監督によると「昨日(18日)、ダンベルトレーニングしてる時にちょっと最後、手と手をぶつけてというのがあった」。その日の夜はアイシングなどを施したが、一夜明けても患部に腫れはあった。無理をする時期でもなく、右手を使うキャッチボールや、バットを握る打撃練習は回避することになった。

 午後には同トレーナーとともにタクシーに乗り込んで都内の病院へ。エックス線、MRI撮影の検査を受け、診断名は「右手母指基節骨骨挫傷」。今後は約1週間、打撃練習などを制限することが決まった。回復を待ち、再検査が米アリゾナキャンプ出発2日前の26日に設定された。栗山監督は現状で1軍スタートの予定変更は「全然ない」。白水トレーナーも「休めば問題ないと思っている」と話した。今日20日に千葉県内で行われる球団イベントも、予定通り出席する。

 8日の入寮以降、大注目を集めながら練習に励んできた疲労もあった。病院へ行く前に清宮は「環境が変わって、というのは多少あったかもしれません」と、負傷までに至る過程を振り返った。これまでロングティーなどの自主練習も意欲的に行ってきたが、バットの振り過ぎが負傷の要因ではなく、予期せぬ形での小休止。当面はバットを握れないが、グラウンド上で栗山監督からは「その時間をどう生かすのか。すべてのことをプラスに変えられるかが勝負だ」と伝えられた。清宮に我慢の時が訪れた。【木下大輔】