ミスターが巨人に魂を注入した。宮崎キャンプの視察に訪れた長嶋茂雄終身名誉監督(81)は1軍に訓示を行い「勝とう! 勝つ、勝つ、勝~つ!」と昨年同様に雄たけびを上げた。2軍にも足を運び「勝~つ!」と声を張り、ブルペンも視察。最後は野手陣を見守り、高橋監督から「同じ佐倉出身で何とか気合を入れてください」と重信の打撃指導を依頼され、一肌脱いだ。「左足にためを作れ」と太ももを触り、身ぶり手ぶりで感覚を伝え、「野球と言えば足。巨人の中で一番いい選手だから、いい力になれるように」と期待した。

 OB戦翌日の情熱的な動きもチームを愛してやまないからこそ。「今年は何もかも抜きにして勝つのみだから。すべて勝つんだと。そうして初めて巨人というチームに秋に優勝というものがなれるように」。この日の宮崎キャンプには、10年以降では最多となる3万8500人の観客が集まった。圧倒的なオーラを放ち続け、ミスターは今年のキャンプ訪問を終えた。