BCリーグ栃木の村田修一内野手(37)が23日、埼玉・熊谷市内で行われたBC武蔵とのオープン戦に「4番三塁」で先発出場。今季初実戦で3打数3安打1打点と結果を残した。

 バットをギュッと握り、野球少年に戻った。初回2死二塁。ファン約100人の拍手を受け、村田が歩き出す。2度屈伸し、打席に立ち、いざ勝負。カウント2-0からの3球目、左腕中島が投じた内角高めの直球を中前へはじき返した。先制適時打となるBCリーグ“初安打”に「久しぶりに野球が出来たし、楽しく野球をやらせてもらえた」と笑みを浮かべた。

 周囲のレベルはNPBより格段に落ちる。それでも若手選手と同じく、声を出し、ハツラツと動いた。「ここにいるのはNPBを目指している選手。レベルが低いとかは関係ない。みんな楽しく野球をやっているし、真剣だし、うまくなりたいと向上心をもってやっている。やりがいがあります」と心はたぎった。

 球場へは本拠地栃木・小山市から片道約2時間かけてバス移動。球場内のトイレも工事中で使用不可だった。約50メートル先のトイレへ、ファンを引き連れながら歩いた。1人1人にサインを丁寧に書き、写真撮影にも快く応じた。「バス移動も大変ですけど、BCリーグはこれが当たり前。勉強になりますし、受け止めないと」。3回は追い込まれてから左前打、4回は外角球を流して右前打と格の違いを見せつけて交代した。再びNPBへ。夢の舞台を目指し、男村田が再起の道を歩み出した。【島根純】