ゲレーロいなくても大丈夫? 中日が11安打で9得点を奪い快勝した。上位が出塁して主軸が返すパターンで、着実に加点した。本塁打王ゲレーロの巨人移籍で得点力不足が懸念されたが、オープン戦は12球団中2位タイの74得点。首脳陣は18年型打線に手応えを感じている。

 先発ジーの速い投球テンポに乗るように、初回から鮮やかに先制した。先頭大島が四球、京田が右前打で続き、1死後に4番ビシエドが3ラン。4回は下位で作ったチャンスから4得点だ。

 2発5打点のビシエドとアルモンテのアベック弾が派手に映るが、土井打撃コーチはプロセスに注目した。「ほかの選手に元気がある。うまくつなげるようになっている。去年よりレベルが上がっている」と目を細めた。森監督は「1点を取りたいときに取れるようになっている。こうやって追加点を取れればあとの投手も楽になる。うまくこういう試合ができればいい」と納得の表情だった。

 ゲレーロは昨季35本塁打。ただ森監督は「本塁打の割に打点(86)が少なかったから」と勝負強さを欠いた元主砲の穴は、そう大きくないと見ている。当初はアルモンテを2番、大島を3番に置く打線も試したが、14日の西武戦(ナゴヤドーム)からの7試合は大島、京田、アルモンテの順で固定。以降、平均6得点と攻撃力が上がった。5番以降の福田、平田(藤井)、高橋も安定し厚みが出た。

 規定打席未満ながら打率4割3分8厘のビシエドは「大切なのは9人がまとまって、それぞれの仕事をすること」とカギを挙げる。5年連続Bクラスで下馬評も高くない中日だが、着々と地力を蓄えている。【柏原誠】