東北福祉大が3-0で仙台大に連勝、勝ち点を4に伸ばし、優勝に大きく前進した。7回裏無死満塁で、最速147キロの横手右腕・津森宥紀(3年=和歌山東)が登板。146キロの直球などで2奪三振を含む3人を封じ、無失点でチームを救った。「自分ではピンチの場面のほうが強いと思っている。思い切って腕を振り、楽しみながら投げられました」。次週第6節の東北学院大戦で1勝すれば、2季ぶりの優勝が決定する。

 優勝した昨春は5勝を挙げ、夏には大学日本代表入り。昨秋も防御率0・00。エースとして今季に臨むはずが、開幕直前の3月29日にアクシデント。関東遠征の試合登板後、座っていたベンチが壊れて崩れ落ち、右中指を負傷した。爪がはがれただけでなく、剥離骨折で5針縫う重傷だった。

 プルペンで投げ始めたのは4日。前日5日には最終回に急きょ登板した。この日も、8回は3者連続三振。9回は安打と四死球で2死満塁としたが、最後も三振で締めた。「本当にぶっつけ本番でしたけど、抑えたらヒーローになれると思って頑張りました。感覚も戻ってきたかな」と安堵(あんど)の表情だった。

 初先発のサイド右腕、椋木蓮(1年=高川学園)の5回1/3無失点好投にも報いるエースの復活。サプリメントを1日約20錠摂取し回復に努めている爪は、まだ3分の1しか生えていない。「次も全員で投げて0点に抑えて優勝したい」。大黒柱が帰ってきた。【鎌田直秀】