広島会沢翼捕手が地元凱旋(がいせん)試合でマルチ安打を記録し、スタンドで見守った家族に勝利を届けた。

 プロ入り初めて茨城で行われた公式戦に出場した。前回の10年7月7日巨人戦は直前に2軍降格となり、同行できなかった。「6番・捕手」でスタメン出場すると、1回に味方が4点を挙げ、自身も右翼越えの二塁打を放った。さらに4回には1死三塁から右翼前にはじき返し、打点をマーク。守っては降雨の中、先発岡田ら3投手をリードして勝利に導いた。

 スタンドにはこの日、日立市から駆け付けた両親や、広島から来ている家族ら約30人の親族が見つめていた。両親に直接連絡するのは年に1度あるかないか。いつも遠くから見守ってくれている両親に、プロ12年で成長した姿を見せた。最高の親孝行となった1日を終え「家族の声援は聞こえていましたよ」と、いつもは勝利の後も表情を崩さぬ会沢が、優しく笑った。