意地の一撃だった。阪神北條史也内野手(23)が今季1号ソロを放った。「出塁することを考えて、どんどん積極的にいこうと思っていました。久々にいい感触の打球を打つことができました」。初回1死、DeNA先発の東が投じた3球目が真ん中にきた。146キロ直球を強振すると、打球は横浜に吹く風にも乗って左中間スタンドに飛び込んだ。昨年8月18日中日戦(ナゴヤドーム)以来のアーチをかみしめてダイヤモンドを1周した。

 「1打席目に(本塁打が)出たのはよかった。でも、続けて結果を残したかった。そんなに甘くはなかったです」

 こんがり焼けた肌が、練習量を証明している。今季は開幕を2軍で迎えた。5月末に初昇格するも9打席連続で安打が出ず2週間ほどで降格。再び鳴尾浜で真っ黒に日焼けして、6月22日に再昇格を果たした。最近は2番で起用されているが、「ホームランを狙っているわけではないですし、ヒットが出るようにやっていきたい」。北條は勝利のために安打を重ねる。【真柴健】